スキと言えるまで。

「颯、自分でもわかってるのに、私に逃げたってダメだよ。
私は颯のお母さんじゃないんだから。」





「…うるさい。
俺には誰も愛情なんてくれなかった。
きっと母さんだけが…、若葉なら俺を求めてくれる。」





「じゃあなんでそんな泣きそうな顔をしてるの。」





驚いた顔をしてる。
そうだよ、思い出してみたら颯はあの時も辛そうだった。
自分でも意識してなかったんだよね。





気づかないうちに、自分自身を苦しめてたんだね。





「若葉、俺はここで会いに来てくれるのを待ってたんだ。
落ち着いたことを装えば、面会のチャンスはきっと来るって。」





駄目だ。
このまま颯のペースにしたら、元通りになってしまうかもしれない。