スキと言えるまで。
「いい加減にしなさい!!」
「!?」
こんな時のために武藤先生が護身術教えてくれてて助かった。
一気に体勢を変えてさっきと上下は逆転。
「颯、颯には颯の事を誰よりも大事に思ってくれる人がいるじゃない。」
「そんなの俺には、いるわけないだろ…。」
「私だって、友達として颯が大事。
翔さんだって、弟だって大事に思ってくれてる!」
「それで足りないなら、私がずっと側にいる。」
…やっぱりさっきからドアの向こうに気配はしてたんだ。
ゆっくり私は颯の上から離れて、颯の側に愛果がよる。
「こんな俺の側にいたって…、俺は今まで…。」
「颯はこんななんかじゃないよ。
昔からずーっと、素敵な人だよ。
ちょっと道を踏み外しちゃっただけだから。」