スキと言えるまで。
「くしゅん!
あぁー、寒い。」
「お前大丈夫かよ…。」
誰のせいだと思ってるのよ、誰の。
急に呼び出されたせいで、ろくに防寒対策できずに長時間外に居たんだから、くしゃみぐらいするわ。
なんて本人には言えないから、心の中で反論させていただきます。
手袋ぐらいしてくればよかったかな…。
すりあわせた手にかかる息が真っ白。
「仕方ない、ほら手。」
「んな!!」
そう言って私がプレゼントした手袋を外して、左を私の手にはめた。
右手にはそのまま手袋をつけて。
むき出しになった左手は、私の右手と繋がれる。