スキと言えるまで。
「で、言いたいこときっと若葉は言えないだろうから。
俺が聞いてあげる、吐き出しなよ。」
幼馴染には言いにくいこと、ましてや本人に言えないことを聞くぐらいなら許されるだろ。
「…ったくさ、樹は何だって言うの。
確かに私はさ、お菓子は殺人級のものしか作れなかったよ!?
それを自覚してたから2人に協力してもらって、不格好だけど食べれるもの作ったの。
何日もかけて!!」
急に堰が切れたように話し始めた。
相槌を打つ暇もない。
どんだけ溜め込んでたんだ。
「大体さ、転入してきた時からそうだったんだよ。
琉那、琉那ばっかり。
私のことなんて、久しぶりに帰ってきた妹にしか思ってない。
こっちはそれが分かってたから、諦めようと努力してたんだ。」