スキと言えるまで。





「でもさ、やっぱ樹は樹だったんだよ。
どれだけ琉那バカでも、値はいいやつで、なんだかんだ言って気にかけてくれて。」





「変わってなかったと。」





「そうそう、敏感でありながら鈍感なところも。
気持ちを知らないからってさ、部屋に呼ばれて家庭教師もどきだよ!?
もーあの時は、嬉しさ半分悲しさ半分。
女として見られてないなって。」





「けど俺が若葉に無理やりキスしたときは、マジギレしてたぞ?」





「自分の物が取られたみたいな、独占欲からじゃないの!?」





これ、どっちもどっちぐらい鈍感じゃないか。
どんぐりの背比べ。






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