スキと言えるまで。
「…落ち込んでる暇があったら、これどうにかしろ。」
そう言って手渡されたのは、きっと俺にくれるはずだった若葉からのチョコレート。
「俺が食べるわけにもいかないし?
かと言ってどうすることも出来ないから、俺は屋上に置いて帰るとしますか。」
「…は?」
「俺は樹がここに来たことも知らないし、聞いていたことも知らない。
今から話す言葉も独り言だと思え。
『幼馴染だからっていつまでも一緒だとは限らないんだ。
どんだけ最低鈍感なやつでも、同じ失敗してんじゃねえぞ。』」
「ちょ、ちょっと待てよ爽一!!」