スキと言えるまで。
第五章
別れは突然に
若葉side
私は臆病で、傷つくことが怖い。
今までたくさんのことを経験してきて、少しは強くなったかと思ったのに。
樹の言葉に一喜一憂して。
感情が揺さぶられて、思い通りにいかなくて。
「本当によいのデスカー?」
そう。
たとえ、この道を選ぶことが樹からの‘逃げ’だとしても。
「はい、社長。
…私はチャンスを逃したくない。
仕事への思いは、本気です。
このままお話、進めていただいて結構です。」
未来を考えれば、きっと間違いじゃないから。
今辛くても、きっと笑っていられると信じてる。