スキと言えるまで。





正直、爽一が何を言っているのか分からなかった。
当然俺はこのことは聞いていないし、多少のどよめきが会場内にも起こる。





しかし、今、騒ぎ立てるわけにはいけない。
この学園の卒業式は、お偉いさんも来ているし、テレビ局も一部来ているから。





卒業式が終わったあと、俺はクラスメイトや同級生との交流もそこそこに、生徒会室に駆け込んだ。





「…そろそろ来る頃だと思ってたよ、樹。」





「今度は俺の知らないところで何が起こってるんだよ。
ちゃんと説明してくれるんだよな、爽一!!」





「え、樹に若葉は話もしていってないの!?」





「小牧、話知ってたら、この馬鹿も卒業式出てないだろ。」





「…俺以外の全員、事情は知ってるみたいだな。」






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