スキと言えるまで。





「…ちょっとやりすぎちゃったかな、英知?」




「琉那がここまで惚れるとは…。
声フェチだったのか。」





若葉がなぜ困り果てているかというと、琉那が男装姿に惚れすぎて、またたびに酔った猫のように傍を離れないからだ。
傍から見たら、姫と王子に見えなくはない。





「若葉が羨ましいな…、そこ代われよ。」




『代わるか、馬鹿者!!』





ちょっと樹が変態に思えてきた。
一年と若葉の声がはもった。





だけど俺も小牧も見逃さなかった。
一瞬、若葉の顔が悲しそうに歪んだことを。
現実を目の当たりにした苦しさ…、鈍感なんだよ樹は!!






< 40 / 261 >

この作品をシェア

pagetop