スキと言えるまで。
「若葉、青薔薇姫の扱いで入学になってるの。」
小牧がそう言った後、佑樹先輩が言葉を続けた。
「転校初日からの薔薇姫扱いの上に、種類は青薔薇だ。
舟山からの突然の転校、一般入手が不可能な制服を男子の分手に入れているし…。
君の扱いが秀でているように思えるが、これには何か訳でもあるのか?」
「…君の生徒資料、当たり障りのないことしか書かれていないのが変ってこともある。
ほかの生徒たちの物は詳細に書かれているのに。」
「つまり私は怪しまれているってわけですか。」
「別にそういうわけじゃないんだ若葉。
何か、隠されていることがあるってことが嫌でもわかるだろう。
それが何か把握したいというか。」
こうなるだろうことがある程度予測されたから、薔薇姫扱いだけはあんなに拒否したのに。