スキと言えるまで。
「別に…、男装してみたくなってやっただけだよ。
向こう女子だけだったから、当時流行ったドラマに大層影響されてね。」
「そんなことがあり得るのかよ!?」
「世間知らずのお嬢様たちはそうなのよ。
まぁ私は一般階級入りで、根っからのお嬢様たちは教育上男装できないじゃない。
だから私がやってみたら評判良かったってだけ。
こんなくだらない話、したくなかっただけだし。
あとは舟山が、学校情報をあまり外に漏らしたくない学校だから。
情報がないだけだと思うけどね。」
そう説明すると、皆一応納得してくれたようだった。
舟山がここと比べても、特殊な学校だってことを理解しているからだと思うけど。
…知らない、はなんて便利なことだろうか。
「…佑樹、そろそろ時間だ。」
「っ本当だ、皆一旦終了。
午後の授業に遅れてしまうからな!!」
わぉ、真面目。