スキと言えるまで。
「馬鹿!
わか、何で帰ってきたのよ、早くここから出なさい!」
「…仕方ないの。
友達がここに遊びに来たいって言ってたし。
どっちにしろ明日には、そっちに行かなくちゃいけなかったのに。」
「若葉さん早く映画なんてほっといて出て!
あいつら観に来てるんですから!」
「さっき私たち見たんです。
見つかる前に早く…!」
私のコーヒーを奪い取って出口へと押しやる真由子たち。
樹が訳分かってないから…。
そう冷静に考えてる自分と、早く逃げたいと考えてる自分がいた。
けど何も知らない皆を置いていいものか。
琉那がいるから手出しはしないだろうけれど…。
戸惑っていた時間のせいで。