スキと言えるまで。





「ね、行こう若葉?」





背中に回して隠してやる。
若葉を渡してはいけない。





「…君、本当に邪魔だね。
あの時も若葉は、僕の名前じゃなく‘いっちゃん’を呼んだ。
今でも忘れられないよ。
泣いて抵抗する若葉の姿。」





「…っ!!
お前若葉に何したんだよ!!」





奴の胸ぐらを掴んで殴りかかりそうになった。





「君は若葉のなんなのさ。
君にとって若葉はなんだい?
若葉にとっての君の存在はなんだい?
どんなにしても、君は僕の若葉を取っていく…!!」





どこか余裕をかました。
ちがう、状況をどこか楽しんでいるようにも見える。






< 90 / 261 >

この作品をシェア

pagetop