スキと言えるまで。
「ね、行こう若葉?」
背中に回して隠してやる。
若葉を渡してはいけない。
「…君、本当に邪魔だね。
あの時も若葉は、僕の名前じゃなく‘いっちゃん’を呼んだ。
今でも忘れられないよ。
泣いて抵抗する若葉の姿。」
「…っ!!
お前若葉に何したんだよ!!」
奴の胸ぐらを掴んで殴りかかりそうになった。
「君は若葉のなんなのさ。
君にとって若葉はなんだい?
若葉にとっての君の存在はなんだい?
どんなにしても、君は僕の若葉を取っていく…!!」
どこか余裕をかました。
ちがう、状況をどこか楽しんでいるようにも見える。