**約束の花**


私はふとテーブルの上にあるすずらんに手をかける。


「…あなたは真実を知ってるの?」


花に話しかけるなんて変だなぁと自分で思いつつも、つい話しかけてしまう。


「…知ってるなら、教えてよ…」


気がつくと頬には冷たいものが流れていた。


不安でたまらない。

こんなことになるなら、ちゃんと覚えておけば良かった。

そしたら…北見くんと黒澤くんだって、敵対することもなかったのに。




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