**約束の花**
私はすずらんの前で泣き崩れる。
…〜♪
すると誰かから着信が。
「…誰だろう…」
私はスマホを手に取り、画面を見る。
そこには、
『黒澤 飛鳥』
の文字。
私は黒澤くんからの電話に出る。
すると
『…もしもし』
と少し無愛想な感じの声が聞こえた。
「…もしもし」
『…何かあった?』
「え?」
『なんか声がいつもと違うから』
ああ…泣いてたのバレちゃうかな?
「ううん、何もないよ!」
私は無理矢理元気な声を出す。
本当は落ち込んでるくせに。
『…お前嘘つくの下手だな』
「え!?」
『無理には聞くつもりねぇけど、何かあれば言えって言ったよな?』
「…うん」
『だから、その…いつでも…頼れよ』
“頼れよ”って言った時の声が少し小さかった気がする。
…もしかして…
「黒澤くん、照れてる?」
私がそう聞くと、
『はぁ!?て、照れるわけねーだろ!』
と少し声を荒げる。
絶対照れてるんだろうな、黒澤くん。
私はふふっと笑った。
『とにかく!何かあったら言えよ!
じゃあな!おやすみ!!』
と言って、切られてしまった。