**約束の花**


私はすずらんの前で泣き崩れる。



…〜♪


すると誰かから着信が。


「…誰だろう…」


私はスマホを手に取り、画面を見る。

そこには、

『黒澤 飛鳥』

の文字。


私は黒澤くんからの電話に出る。

すると


『…もしもし』


と少し無愛想な感じの声が聞こえた。


「…もしもし」

『…何かあった?』

「え?」

『なんか声がいつもと違うから』


ああ…泣いてたのバレちゃうかな?


「ううん、何もないよ!」


私は無理矢理元気な声を出す。

本当は落ち込んでるくせに。


『…お前嘘つくの下手だな』

「え!?」

『無理には聞くつもりねぇけど、何かあれば言えって言ったよな?』

「…うん」

『だから、その…いつでも…頼れよ』


“頼れよ”って言った時の声が少し小さかった気がする。


…もしかして…


「黒澤くん、照れてる?」


私がそう聞くと、


『はぁ!?て、照れるわけねーだろ!』


と少し声を荒げる。


絶対照れてるんだろうな、黒澤くん。


私はふふっと笑った。


『とにかく!何かあったら言えよ!
じゃあな!おやすみ!!』


と言って、切られてしまった。





< 89 / 125 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop