代償 2nd mean

「ユートが高所恐怖症なの、分かるかもねえ」
高いもん。
１３階。
思うけどさ。
中途半端なんだよね。
住人もいないしさ。

何で、慶佑はここにしたんだろ。
１５階まであるのに。
不思議だね。
高いとこ、好きなのかな。


「慶佑さん、何か子供みたいだよね」
何にも知らない子、みたいな。
蓮華さんが、私の耳元で言う。
………うーん。
確かに。
子供だよね。
だって。
ピアスの付け方も忘れていたから。
ナニコレ？
って顔して。
どこまで記憶、飛んでるの？
最低限な事は分かる。
………。
もう。
不便極まりない。
仕方ないって分かってるけどさ。

………老人介護の辛さが分かるよ。
これだよ。
なーんて。
慶佑を老人扱いしてみたり。
酷いなぁ。

一体、何を思っているんだろ。

「文ちゃん、紅茶貰うよー♪」
はぁい。