代償 2nd mean
「無視しないでよ!無理だって!」
言い出しっぺの上時は。
きょとーんと。
………何で、きょとーんとしているの!?
「え?」


だって、前橋組の族長の歴史の中に、女総長なんていたぞ?
愛鷹総長の前の族長は女だったぜ?
2代目は女だったぜ?
前橋族長の次な。
ヘーキだろ?
名前だけでもなっておけって。
一生ものの経験だぜ?
そうそう、ここらのトップになれないて。


ばーっと、話して。
………酷い。
「………何で、上時は族長に?」
「狙ってたから。」
………へえ。
………じゃないから。
「………狙う価値あるの?」
「あった。だって、愛鷹総長が親父みてぇに可愛がってくれたし。落ちぶれた前橋なんて嫌だろ?」
「………はぁ」
「俺の前の族長、バカだったらなぁ。絶対、奪うて豪語できたし。」
………。
何も言えない。
「人望もなかったしな。俺のほうが、まだあったぜ?」

………その自信、どっから、出てきたの?
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