桃の花を溺れるほどに愛してる
●●●
次の日。
用意を済ませて家を出ると、そこにはやっぱり、もう見慣れてしまった赤い車。赤い車が停まっていない時の方が、不安で心配になっていそう。
「春人!おはよっ」
「おはようございます!」
元気よく挨拶をすると、春人は笑顔で返事をしてくれた。
私は足早に助手席へと乗り、シートベルトを装着する。
「前から思っていたんだけど、毎日毎日こうやって送り迎えしてくれるのは嬉しいんだけどさ……仕事、大丈夫なの?」
病院って、そう簡単にこういう自由時間が与えてもらえるはずはないよね?
仮にも病院だし……命にかかわるところのわけだし、今こうやって送り迎えをしてくれている間にも、苦しんでいる人がいるのは確かなわけだし。
「ここへ来る前に、ちゃんと父に声をかけているので問題ないですよ。それに……どうしても外せない急用が出来たら、携帯に連絡をいれてもらうように言ってありますし」
春人のお父さん……って、冬斗さんだよね。
「患者の皆さんはもちろん大切な存在ですが、それ以上に桃花のことが大切で大事な存在なんです、僕は」
さらりとそんなことを言いのけるものだから、不覚にも私の頬は熱くなった。
次の日。
用意を済ませて家を出ると、そこにはやっぱり、もう見慣れてしまった赤い車。赤い車が停まっていない時の方が、不安で心配になっていそう。
「春人!おはよっ」
「おはようございます!」
元気よく挨拶をすると、春人は笑顔で返事をしてくれた。
私は足早に助手席へと乗り、シートベルトを装着する。
「前から思っていたんだけど、毎日毎日こうやって送り迎えしてくれるのは嬉しいんだけどさ……仕事、大丈夫なの?」
病院って、そう簡単にこういう自由時間が与えてもらえるはずはないよね?
仮にも病院だし……命にかかわるところのわけだし、今こうやって送り迎えをしてくれている間にも、苦しんでいる人がいるのは確かなわけだし。
「ここへ来る前に、ちゃんと父に声をかけているので問題ないですよ。それに……どうしても外せない急用が出来たら、携帯に連絡をいれてもらうように言ってありますし」
春人のお父さん……って、冬斗さんだよね。
「患者の皆さんはもちろん大切な存在ですが、それ以上に桃花のことが大切で大事な存在なんです、僕は」
さらりとそんなことを言いのけるものだから、不覚にも私の頬は熱くなった。