桃の花を溺れるほどに愛してる
騒がしくなる足音を聴いた榊先輩が、ゆっくりと目を覚ます。同時に、たくさんの警察の人達が部屋に入って来た。
「大丈夫ですか?」
部屋に入って来たうちの数人の警察が、私達のもとへ駆け寄る。
「大丈夫です。でも、春人が……彼が、傷をおっていて……!」
「分かりました。救急車も到着しているので、すぐに病院に運びましょう」
よかった……。これで春人は、ちゃんとした治療が受けられる。
安堵した私の耳を、目を覚ました榊先輩の怒声がつんざいた。
「嘘だ!俺は信じない!だって桃花ちゃんは俺のモノなのにっ!」
……まだ言っているのか。もう一発、蹴り上げておいた方がよかったかな。
哀れみをこめた目で榊先輩を見ていると、彼が私の存在に気が付き、こちらを向いた。
「桃花ちゃん!こいつら、おかしいんだ!俺が悪いことをしたって……そんなことないのにねっ?!桃花ちゃんからもなんとか言ってやってよ!」
周りの警察の方々も、明らかに引いているのが見て取れた。
無視して、警察の方々が榊先輩を連れていくのを黙って見ているのがいいんだろうけど……。
このまま終わらせたら、ダメな気がする。
「桃花さん?」
スッと立ち上がった私は、未だ縄で繋がれたままでいる榊先輩に近寄った。
「大丈夫ですか?」
部屋に入って来たうちの数人の警察が、私達のもとへ駆け寄る。
「大丈夫です。でも、春人が……彼が、傷をおっていて……!」
「分かりました。救急車も到着しているので、すぐに病院に運びましょう」
よかった……。これで春人は、ちゃんとした治療が受けられる。
安堵した私の耳を、目を覚ました榊先輩の怒声がつんざいた。
「嘘だ!俺は信じない!だって桃花ちゃんは俺のモノなのにっ!」
……まだ言っているのか。もう一発、蹴り上げておいた方がよかったかな。
哀れみをこめた目で榊先輩を見ていると、彼が私の存在に気が付き、こちらを向いた。
「桃花ちゃん!こいつら、おかしいんだ!俺が悪いことをしたって……そんなことないのにねっ?!桃花ちゃんからもなんとか言ってやってよ!」
周りの警察の方々も、明らかに引いているのが見て取れた。
無視して、警察の方々が榊先輩を連れていくのを黙って見ているのがいいんだろうけど……。
このまま終わらせたら、ダメな気がする。
「桃花さん?」
スッと立ち上がった私は、未だ縄で繋がれたままでいる榊先輩に近寄った。