桃の花を溺れるほどに愛してる
「ほーら、みんな静かに!今から授業を始めるぞー」


 1つ前の席の京子とそんな話をしていたら、教室に担任の先生が入って来た。

 どうやら、もう1時間目の授業が始まる時間らしい。

 京子は何かあったらいつでも連絡しなよ?と心配してくれたので、私は「うん」とうなずいた。

 今日もいつもと変わらない学校生活の1日が始まる……と、思っていた。

 3時間目の授業が終わろうとしていたまさにその瞬間、ポケットに入れてある携帯電話が小刻みに震えた。

 授業中はいつもマナーモードにしてある携帯電話なのだが、はたして、一体なんだろう……?

 先生にバレないように教科書で隠しながら、携帯電話をパカッと開いて中身を確認する。

 画面には“新着Eメール 一件”と表示されていた。

 はて……?京子が何か伝えたいことがあるのだろうか?不思議に思いながらもメールを開いた。


「……っ!」


 ――そのメールは、昨日の夜にも送られてきた、知らないアドレスからの人物だった。
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