桃の花を溺れるほどに愛してる
ぐわっと見開いた瞳に、迫力のある声音。おまけに力も強いし、当然だけれど体格だって違う。
へたに抵抗が出来ないことは目に見えて分かったし、だからといってこのままなすがままにされているのもシャクにさわる……。
どうしたらいいのか出来ず、苦しそうに顔を歪めたまま男の顔を見つめていた、まさにその時だった――。
「彼女を離してください」
聞き覚えのない、若い男性の声が背後から聴こえた。どこか落ち着いていて、凛としている声。芯はしっかりとある声でもある。
「ぁあ?この問題は兄ちゃんには関係ないやろ。シッシッ」
「はぁ……。彼女が関係している時点で、大いに関係しているんですよ」
「なんやとぉ?!」
「先程、警察をお呼び致しました。成人男性が未成年に手を出している、と」
「くっそ!覚えときや!」
怖そうな男性は私からパッと手を離し、ズカズカとどこかへと去っていった。
私は手が離された拍子に身体が揺らめき、後ろに倒れそうになるも――。
「大丈夫ですか?!」
私の小柄な身体は、怖そうな男性を追い払ってくれた若い男性の大きな腕の中におさまった。
へたに抵抗が出来ないことは目に見えて分かったし、だからといってこのままなすがままにされているのもシャクにさわる……。
どうしたらいいのか出来ず、苦しそうに顔を歪めたまま男の顔を見つめていた、まさにその時だった――。
「彼女を離してください」
聞き覚えのない、若い男性の声が背後から聴こえた。どこか落ち着いていて、凛としている声。芯はしっかりとある声でもある。
「ぁあ?この問題は兄ちゃんには関係ないやろ。シッシッ」
「はぁ……。彼女が関係している時点で、大いに関係しているんですよ」
「なんやとぉ?!」
「先程、警察をお呼び致しました。成人男性が未成年に手を出している、と」
「くっそ!覚えときや!」
怖そうな男性は私からパッと手を離し、ズカズカとどこかへと去っていった。
私は手が離された拍子に身体が揺らめき、後ろに倒れそうになるも――。
「大丈夫ですか?!」
私の小柄な身体は、怖そうな男性を追い払ってくれた若い男性の大きな腕の中におさまった。