カリス姫の夏

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カリス
<お願い 時間無い
 至急ヒント キボンヌ
 この家 増築してる?
 だとしたら隠れる場所
 特別にある?

<ほら誰か考えて 
 カリス姫 困ってる

<お前も考えろ

<うちも増築したけど
 無理するから設計上変なことあり
 我が家は玄関前が脱衣所になた

<WWWWW
 それマジ ヤバい
 客呼べない

<ある ある
 仕事でいた家も変なとこに
 改め愚痴あた

カリス
>改め愚痴ってなに?

>すまぬ 間違えた
 改め口
 家の配管や電気の配線をチェックする入り口
 普通は天井にあり
 でも改築で天井に作れなかったのか
 壁に穴開けて作ってた家あた
 マジ仕事しずらかった

カリス
<改め口って大きいの?
 どんな家でもある?

>絶対ある
 無いとトラブった時点検できず
 人通るからけっこう大きい
 台所やフロ場 水回りにあり

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「改め口……」


私の独り言を近くにいた総一郎さんが、聞き返した。


「なんだい?
あらためぐちって」


「私のネット仲間が、この家は増築してるんじゃないかって。
だとしたら、壁に改め口って人が通れる位の穴開けてるかもしれないって言うんですよ」


腰をかがめながらタマミさんを捜していた総一郎さんは、私の話を聞きながらうーんと腰を伸ばした。


「へー。
で?その改め口ってどこにあるもんなんだい」


「台所とか……フロ場とか……水回り……」


「そう言えば、この裏、洗濯室だよな」

総一郎さんは、ドアに視線を送った。


私達のいる脱衣所には奥にもドアがあり、そこを開けると洗濯室がある事を総一郎さんは知っていた。ドアがしっかり閉められていたため、私はその部屋の捜索に手を抜いていた。


「俺、ちらっと見たけど、猫はいなかったね。
洗濯物の中に埋もれてるかな」


「とりあえず捜してみな」


2階の捜索に飽きた華子さんがいつの間にか私達の横に立ち、偉そうにアゴでドアを差した。


私がそうっとドアを開けるとそこには……
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