カリス姫の夏

「ありがとうございます。
そこまでは分かったけど、そこからなんでこんなことになっちゃったんですか?」


「うーん、それがね……
私がそうやって個人的にカリス姫のツイッターや動画覗いていればよかったんだけど、ちょっと欲が出ちゃって……

ネットの中でいいから莉栖花ちゃんと話できないかなーって。
なんの悪意もないのよ。
ただ、おしゃべりしたかっただけなの。
でね、カリス姫のツイッターをフォローしたのよ」


さやかさんの言葉に、脳内に保存していたデータを開き調べた。


「ええー、でも私のフォロワー増えてませんでしたよ」


「うん、すぐに取り下げたからね。
でも、これが間違いだったのよ。
私がカリス姫をフォローしたことに私のフォロワーが気づいちゃって。
フォロワー同士でも話題になっちゃったのよ」


「フォロワーってさやかさんの?
さやかさんのフォロワーって何人いたんですか?」


私の質問にさやかさんは人差し指をアゴにあて、遠くを見ながら考えこんだ。


「ええっーと……
一時期よりは減ったんでけど……あの頃で1万5千……」


「1万5千?!!
お医者さんってそんなに顔広いんですか?
ちょっとした芸能人並みじゃないですか?」



< 261 / 315 >

この作品をシェア

pagetop