カリス姫の夏
「お願い。
ねえ、ナイト。
なんとかして。
助けてよーー!!」
次の瞬間、ブチッとスイッチの切れる音がしたような気がした。でも本当はそんな音など鳴らず、ただスマホの画面が触れてもいないのに自動的に切り替わっただけだった。
「ゔっ?」
と意味の無い音声が、喉の奥から空気を振動させて出された。涙を手で拭い視界をはっきりさせて画面に目を凝らしたが、そこには見慣れない表示が映されている。
グレーの画面には
『このサイトは存在しません』
の文字。
この言葉の意味が、どうしても理解できない。
再ログインしようと何度も同じ操作を繰り返したが、一瞬最後のログが現れるだけで、すぐさまグレーの画面に切り替わる。
このサイトがそ・ん・ざ・い・しない?
存在しないってどういうこと?
もう、無いってこと?
スマホから目を離すこともできず、画面をみつめる私は、ショックから涙も出ない。私を支えてくれる藍人くんに、はっきりと答えをだして欲しくて問い詰めた。
「ねえ、藍人くん。
ナイトの国に入れないんだけど。
存在しないってどういうこと?
わたし、頭まわんないんだよね。
意味がよくわかんないんだけど……
ねえ、
存在しないって何が?
それって、ナイトの国?
そこにいたはずの仲間たち?
それとも……私自身?」
「莉栖花さん」
藍人くんは後ろから抱きしめる腕に力を込めて、きっぱりと言い切った。
「管理者がサイトを閉鎖させたんです」
ねえ、ナイト。
なんとかして。
助けてよーー!!」
次の瞬間、ブチッとスイッチの切れる音がしたような気がした。でも本当はそんな音など鳴らず、ただスマホの画面が触れてもいないのに自動的に切り替わっただけだった。
「ゔっ?」
と意味の無い音声が、喉の奥から空気を振動させて出された。涙を手で拭い視界をはっきりさせて画面に目を凝らしたが、そこには見慣れない表示が映されている。
グレーの画面には
『このサイトは存在しません』
の文字。
この言葉の意味が、どうしても理解できない。
再ログインしようと何度も同じ操作を繰り返したが、一瞬最後のログが現れるだけで、すぐさまグレーの画面に切り替わる。
このサイトがそ・ん・ざ・い・しない?
存在しないってどういうこと?
もう、無いってこと?
スマホから目を離すこともできず、画面をみつめる私は、ショックから涙も出ない。私を支えてくれる藍人くんに、はっきりと答えをだして欲しくて問い詰めた。
「ねえ、藍人くん。
ナイトの国に入れないんだけど。
存在しないってどういうこと?
わたし、頭まわんないんだよね。
意味がよくわかんないんだけど……
ねえ、
存在しないって何が?
それって、ナイトの国?
そこにいたはずの仲間たち?
それとも……私自身?」
「莉栖花さん」
藍人くんは後ろから抱きしめる腕に力を込めて、きっぱりと言い切った。
「管理者がサイトを閉鎖させたんです」