INSIDE BLUE
コンビニ店員と常連客




 あのね。
 
 わたしはあなたの、視界の中にいつも居たかった。

 愛されなくてもよかったの、
 ただあなたのそばに居たかった。

 
 恋人には、結局最後までなれなかったよね。
 あんなに近くにいたのに、ちょっと悔しいな。
 
 愛してほしいって言えたなら、愛してくれたような…そんな気さえするの。

 それくらい近くにいた。近くに感じていた。
 自惚れかなあ。
 …どうせなら試してみればよかったよ。なんてね。

 ねえ。
 わたしは今でもあなたの「たったひとり」だよ。
 変わっていないよ。
 心配なんてしていないかもしれないけど、

 安心してね。












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