INSIDE BLUE
「――ちょうどお預かりいたします。レシートになります」
そして、レシートを渡す瞬間。
女の子はいつもこちらの目を見て、自身の青い目を細めて綺麗に笑う。
「ありがとう」
必ずそう言ってから、店を出て行く。
「あの子毎日来るよねー」
なんとなく後姿を見送っていると、いつの間にか店長が横に来ていた。
「…そうですね」
「で、だいたいいつもおまえがレジを担当する」
「…たまたまでしょ」
正直狙っていたが、この時間帯は店長が休憩に入るので必然的に俺になるのも事実だ。
「あの目カラコンかな?」
「…さあ。普通カラコンじゃないすか」
気のない返事を装いつつ、実はずっとそれが気になっている。あまりにも顔が綺麗だし、なんとなくハーフかなにかな気はしている。
「気になってるくせにー」
肘でつついてくる。うざい。
無視を決め込んでカップラーメンの補充に戻るためにレジを出る。
「俺あの子の名前知ってるよ」
「え」
思わず反応してふり返ってしまった。
どう見てもコンビニの店長には見えない、人相の悪いヒゲ面がにやりと笑う。ちなみに体格もよく、制服を脱ぐともうちんぴらにしか見えない。
「知りたい?」
「ていうかなんで知ってるんですか」
「この前携帯代の振込みしたんだよ」
「…それで覚えたんですか?悪趣味ですよ」
携帯代や電気代の、収納代行の用紙には本人の名前や住所まで書いてある。
…まあ、担当したのが俺でも確実に覚えていたと思うけど。
「あんな美人そうそういないし気になるだろ?奏も知りたいくせにー」
「…で、」
なんて名前なんですか、と聞こうとしたところで客が来た。
仕方なくいらっしゃいませと事務的に行って、店長は仕事に戻れとひらひらと手を振ってくる。…なんだよ、そこまで言っといて。気になるし。
内心溜息をついて、カップラーメンの補充に戻った。
そして、レシートを渡す瞬間。
女の子はいつもこちらの目を見て、自身の青い目を細めて綺麗に笑う。
「ありがとう」
必ずそう言ってから、店を出て行く。
「あの子毎日来るよねー」
なんとなく後姿を見送っていると、いつの間にか店長が横に来ていた。
「…そうですね」
「で、だいたいいつもおまえがレジを担当する」
「…たまたまでしょ」
正直狙っていたが、この時間帯は店長が休憩に入るので必然的に俺になるのも事実だ。
「あの目カラコンかな?」
「…さあ。普通カラコンじゃないすか」
気のない返事を装いつつ、実はずっとそれが気になっている。あまりにも顔が綺麗だし、なんとなくハーフかなにかな気はしている。
「気になってるくせにー」
肘でつついてくる。うざい。
無視を決め込んでカップラーメンの補充に戻るためにレジを出る。
「俺あの子の名前知ってるよ」
「え」
思わず反応してふり返ってしまった。
どう見てもコンビニの店長には見えない、人相の悪いヒゲ面がにやりと笑う。ちなみに体格もよく、制服を脱ぐともうちんぴらにしか見えない。
「知りたい?」
「ていうかなんで知ってるんですか」
「この前携帯代の振込みしたんだよ」
「…それで覚えたんですか?悪趣味ですよ」
携帯代や電気代の、収納代行の用紙には本人の名前や住所まで書いてある。
…まあ、担当したのが俺でも確実に覚えていたと思うけど。
「あんな美人そうそういないし気になるだろ?奏も知りたいくせにー」
「…で、」
なんて名前なんですか、と聞こうとしたところで客が来た。
仕方なくいらっしゃいませと事務的に行って、店長は仕事に戻れとひらひらと手を振ってくる。…なんだよ、そこまで言っといて。気になるし。
内心溜息をついて、カップラーメンの補充に戻った。