INSIDE BLUE

 店長と名前うんぬんの会話をしてから3日後のことだった。
 
 いつもように女の子は紙パック飲料(今日は紅茶だった)とサラダ、チョコレートを買って店を出た。 
 金曜日の夜というのもあるのか、常に暇なこの店にしては珍しく客足が途切れず、30分ほどレジを打っていた。ようやく落ち着いて、外のゴミが溜まっていたなと思い出して店長に一言声をかけてから店を出た。

 そこに、煙草を吸う女の子の姿があった。
 目があうと、女の子は煙草の火を消した。

 俺は遠慮がちに会釈して、前を通り過ぎようとした

「すみません」

 ところに、声がかかった。女の子の方に再び向き直ると、青い瞳が真っ直ぐにこちらを見上げている。

「はい?」 

 返事をすると、女の子は紙切れを差し出してきた。

「わたし、水原詩依っていいます。これ、メールアドレスです」
「…はあ…」

 思わずぽかんとして、とりあえず紙切れを受け取る。

「あ、別に逆ナンとかじゃないよ」
「あ。そうですか」

 少々がっかりして言う。ていうか、じゃあなんなんだろう。

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