君を追いかけて。
―…シーン
教室は一気に静まりかえった。
…初めてだ。どなったの。
「2人共…やめてよ。私、争い事とか好きじゃなくて…だから、この1年皆で争い事なく楽しく過ごせればなって思ってるから…さ。」
「そんな事、簡単にいくような事じゃないですよ。」
そう言ったのは、内村君だった。
「分かってるよ…でも、1人1人が気をつければ必ず少なくなるでしょ?だから…」
「…分かったよ。」
…やった。
納得してくれた市川君。何か…すごい嬉しい。
内村君はまだ何か言いたそうだったけど、治まったからいい…よね?
「…ななみ。よく言ったね。2人を止めてくれてありがとう。」
莉子が優しくそう言ってくれた。
「ううん。…でも、ちょっと引かれたかな?」
「そんな事ないよ。ね、皆?」
すると、皆うんうんと頷いてくれた。
よかった…。
今日…少し変われた気がする。