君を追いかけて。



体育館に行ったら、すぐ入学式の入場だった。



入学式は正直いって嫌。



何であんな目立つ所を歩かなくちゃいけない訳?



先輩とか先生とか保護者とか…何かいっぱい人いるし。



まぁ、私の親なんて来やしないけど。



今日も仕事がどーたらこーたら言ってたし。



しかも、名前を呼ばれたら返事をして、校長先生に向かって礼とかいうやつはものすっごく嫌。



タルいわ。



そんな事を思ってたら愛梨ちゃんがまた話しかけてきた。



「ねぇ、入学式って長くない?愛梨すごい疲れちゃう。」



「あはは。そうだね。」



「愛梨ね、小学校の時からずっと嫌われてたから、ななみちゃんが中学校での初めてのお友達だよっ!」



うわ…こういうタイプ苦手。



嫌われる理由自分で分かってないのかな?ごめんだけど、私も無理だよ?



自分の事名前で呼ぶ奴ってたいていブリっ子だしな…



「ね?ななみちゃん。仲良くしてくれるよね?」



「え…あ…うーん…悪いんだけど、私1人が好きなの。だからごめんね?」



「えーそうなの?まぁ、いいや」



…案外簡単でよかった。



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