君を追いかけて。
うわ…何この人。
担任の先生はいかにも熱血教師。
「これから1年間皆の担任になった萩原明男だ。よろしくな。」
先生は皆にそう言うと
「じゃあ、まずは皆に自己紹介してもらおうかな。」
と言った。
…は?ありえないって。
でも、その先生は私の鈍い顔なんておかまいなしに
「男子の1番から順番に。1人1分な。」
と言った。
すると、その男子の1番の子は黙々と自己紹介をした。
…私、話す事ないし。
「じゃあ、次は女子の4番。遠藤。」
え…
私はその場で立つ。
「あ…あ…えっと…遠藤ななみです。よろしくお願いします。」
パチパチパチ…
何この空気。何か嫌。
「遠藤さん可愛いね。」
…は?
「本当は隣の学校に行く予定だったんでしょ?でも、こっちに来てくれてよかった。」
確かに、そう誰かが言った。
そして皆が次々に「よろしく」って言った。
こんな私でも大丈夫なんだ…
受け入れてくれるんだ。
もしかしたら友達ができるかもって期待してた。
初めて学校が好きになったのかも…。
中学校生活1日目はそんな1日だった。