君を追いかけて。



1時間目の科目は数学。



市川君は…爆睡中です。



私…数学なんて訳分かんないよ。



「-4+2と。この問題を…じゃあ市川解いてみなさい。」



〈…zZ〉



「何だ。市川寝てるのか。数学初日から寝ててよく平気だな。ほら、起きろ!」



〈…zZ〉



…寝てる。



市川君は皆がいくら叫んでも起きない。



「…市川君?数学で当てられてるけど…」



「………んぁ?」



起きたっ!



「ほら、ここ。解いてって。」



「分かんねーよ!ななみ分かる?」



「えっと…-2」



私は市川君に聞かれた問題の答えを、先生にバレないように小声で言った。



「答えは…-2!」



「正解。お前寝ててもちゃんと出来んだな。」



「まぁ、俺天才だから?」



市川君のその言葉に皆爆笑。



そしたら市川君が小声で



「サンキュ」



って言ってきた。



…何だろう。体中が熱くなった気がした。



てか、私が教えてあげたんだし。何で自分天才とか言っちゃってんの?もう。



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