【完】適者生存
私はまるで洞穴のような儀式の間に設置された、小さな漏斗に一滴、血を垂らす。
血を垂らすと周りの空気が穏やかになる。
「姉様、夏神に儀式の執り行いを許可されました。
さあ、おいで下さいまし。」
私は沙捺に案内され、奥へ進む。
奥には赤の小さな円形のカーペットが敷かれている。
「そこへ正座してくださいね。
そして、目を閉じ精神を集中させてくださいね?」
「・・・ええ、分かったわ。」
出た、癖。
私は沙捺に言われた通り、カーペットの上に正座し、目を閉じる。
風の音が鮮明に聞こえる。
鮮明に聞こえたかと思えばいきなりピタッと止(や)む。
・・・うん?
すべてが聞こえない。
『待っていたよ。
後世の巫女さん。』
どこからか優しい声が聞こえる。
すると徐々に視界が閉じる。
完全に視界が闇に満ち、少し恐怖を感じる。
『そんなに警戒しないで?
私は夏目木葉(このは)。
あなたと同じ、夏目の巫女の姉よ。』
「夏目・・・木葉・・・。」
大昔の巫女・・・
初めて聞くその声。
安心感とともに恐怖感も感じた。
『ずっと、待ってた。
あなたと会えるのを、ずっと待っていた。
歓迎するわ。
ふふ、おびえないで。』
そんなこと言われても・・・。
『そうね、まだ警戒心は解けないかもね。
それでも、私とあなたはくっ付くわ。
さあ・・・、一緒になりましょう。』
私と同じく巫女服を着たような女の子が徐々に現われ、手をさし延ばす。
「・・・ねぇ、先代巫女さん。
魂を合わせるのはもう構わない。
けれど・・・、一つだけ約束してほしいの。」
『・・・ええ、いいわよ。』
私は約束を伝えた。
『難しいけれど・・・ええ、なるべく頑張るわ。
それじゃあ・・・、魂を融合させましょう。』
先代巫女、木葉はどんどん近づき、完璧に見えなくなった。
と思えば体の中に何か、初めてのものが湧く。
・・・記憶が塗り替えられてゆくような感覚。
私は意識を失った。
血を垂らすと周りの空気が穏やかになる。
「姉様、夏神に儀式の執り行いを許可されました。
さあ、おいで下さいまし。」
私は沙捺に案内され、奥へ進む。
奥には赤の小さな円形のカーペットが敷かれている。
「そこへ正座してくださいね。
そして、目を閉じ精神を集中させてくださいね?」
「・・・ええ、分かったわ。」
出た、癖。
私は沙捺に言われた通り、カーペットの上に正座し、目を閉じる。
風の音が鮮明に聞こえる。
鮮明に聞こえたかと思えばいきなりピタッと止(や)む。
・・・うん?
すべてが聞こえない。
『待っていたよ。
後世の巫女さん。』
どこからか優しい声が聞こえる。
すると徐々に視界が閉じる。
完全に視界が闇に満ち、少し恐怖を感じる。
『そんなに警戒しないで?
私は夏目木葉(このは)。
あなたと同じ、夏目の巫女の姉よ。』
「夏目・・・木葉・・・。」
大昔の巫女・・・
初めて聞くその声。
安心感とともに恐怖感も感じた。
『ずっと、待ってた。
あなたと会えるのを、ずっと待っていた。
歓迎するわ。
ふふ、おびえないで。』
そんなこと言われても・・・。
『そうね、まだ警戒心は解けないかもね。
それでも、私とあなたはくっ付くわ。
さあ・・・、一緒になりましょう。』
私と同じく巫女服を着たような女の子が徐々に現われ、手をさし延ばす。
「・・・ねぇ、先代巫女さん。
魂を合わせるのはもう構わない。
けれど・・・、一つだけ約束してほしいの。」
『・・・ええ、いいわよ。』
私は約束を伝えた。
『難しいけれど・・・ええ、なるべく頑張るわ。
それじゃあ・・・、魂を融合させましょう。』
先代巫女、木葉はどんどん近づき、完璧に見えなくなった。
と思えば体の中に何か、初めてのものが湧く。
・・・記憶が塗り替えられてゆくような感覚。
私は意識を失った。