【完】適者生存
体をゆすられるような感覚で目覚める。
「木葉、隠れなさい!
もうすぐ伸介(しんすけ)が追ってくるわ!」
私の体をゆすっていた女性がものすごい剣幕で言う。
私は雰囲気に押され、近くの木陰に隠れる。
「やあ・・・、葵さん。」
「あら・・・まぁ、伸介さん。」
同じ女性の声だが随分と話し方が異なる。
「今日は仕事で来たんだ。
・・・この辺に、夏目木葉は隠れていないか?」
「え・・・っ?
・・・いいえ、隠れていないと思います。」
「・・・困るなぁ。
そんな嘘ついてもらっちゃあ。
おい、磯六(いそろく)。」
「へい、何すか?」
ずいぶんと軽い調子が受けられる。
「この辺を徹底的に探せ。
必ず呪い巫女が隠れている。
いいな?」
「へい、分かりやした。」
磯六と呼ばれた男が走って探しに行く。
先ほどの会話から得られた情報は二つ。
私は夏目木葉に成っているということ。
そしてここはおそらく夏神村だということ。
私の時と対応が一緒。
「木葉ぁ!
逃げてぇ!」
女性が叫ぶ。
私は無意識のうちに木陰から抜け出し、森へ向かった。
「貴様っ!
やはり隠していたか!」
伸介の怒鳴り声がした後、ブシュっという鈍い音が聞こえた。
・・・ああ、おそらく刀で殺されてしまったのか。
木陰からちらっと見えたのは刀の鞘だった。
それに袴をはいていたので差し詰め武士と言ったところか。
森の中に身を潜める。
「・・・見つけた。
小賢しい真似を・・・。」
体がビクッと震えた。
「いくら7歳の餓鬼でも呪いは呪いか。」
磯六の声だった。
私が振り返ったと同時に刀が振り下ろされた。
そこで意識は途絶えた。
「木葉、隠れなさい!
もうすぐ伸介(しんすけ)が追ってくるわ!」
私の体をゆすっていた女性がものすごい剣幕で言う。
私は雰囲気に押され、近くの木陰に隠れる。
「やあ・・・、葵さん。」
「あら・・・まぁ、伸介さん。」
同じ女性の声だが随分と話し方が異なる。
「今日は仕事で来たんだ。
・・・この辺に、夏目木葉は隠れていないか?」
「え・・・っ?
・・・いいえ、隠れていないと思います。」
「・・・困るなぁ。
そんな嘘ついてもらっちゃあ。
おい、磯六(いそろく)。」
「へい、何すか?」
ずいぶんと軽い調子が受けられる。
「この辺を徹底的に探せ。
必ず呪い巫女が隠れている。
いいな?」
「へい、分かりやした。」
磯六と呼ばれた男が走って探しに行く。
先ほどの会話から得られた情報は二つ。
私は夏目木葉に成っているということ。
そしてここはおそらく夏神村だということ。
私の時と対応が一緒。
「木葉ぁ!
逃げてぇ!」
女性が叫ぶ。
私は無意識のうちに木陰から抜け出し、森へ向かった。
「貴様っ!
やはり隠していたか!」
伸介の怒鳴り声がした後、ブシュっという鈍い音が聞こえた。
・・・ああ、おそらく刀で殺されてしまったのか。
木陰からちらっと見えたのは刀の鞘だった。
それに袴をはいていたので差し詰め武士と言ったところか。
森の中に身を潜める。
「・・・見つけた。
小賢しい真似を・・・。」
体がビクッと震えた。
「いくら7歳の餓鬼でも呪いは呪いか。」
磯六の声だった。
私が振り返ったと同時に刀が振り下ろされた。
そこで意識は途絶えた。