【完】適者生存
『・・これが、私の過去。』


・・・何も、言えなかった。


まだ村人に避けられていただけマシだったんだ・・・。


『・・・私が殺されたきっかけは妹殺しの儀。


私たちの呪いは双子のどちらかがいなくなれば収まると当時の夏神の村人は考えていた。


だから妹殺しを強要されたの。


躊躇っていると私の両親が縄で縛られているのを目の前に差し出された。


できなければ両親は跳ね首だ、両親の首元に刀を添えながら役人は言った。


私は両親のために、それと妹から両親を助けたいという希望で・・・。』


「それ以上は言わなくてもいいよ・・・っ。


木葉ちゃんも辛かったでしょう?」


『・・・心配してくれてありがとう!


ははは・・・、今後の夏目の双子も呪いをかけたのは私!


本当は私の代で呪いの連鎖は終わる、そう夏神は言ったの!


・・・でもね!


妹殺しの悲しみを知ってもらいたくて私はあんた達に呪いをかけたの!』


木葉は不気味な笑みを浮かべながら消えていった。


それとともに私の視界も開く。
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