【完】適者生存
完全に視界が開けた私は何となく周りを見渡す。


・・・ここはどこ?


「姉様、儀式が終了しました。」


・・・あなたは誰?


「あなたは・・・誰かしら?」


「・・・っ、夏目沙捺ですよ。」


「なつめ・・さなつ・・・?


初めて聞くお名前ですね・・・。」


「紗夏お姉さま、私がわからないんですか?」


「紗夏・・・?


何方ですか?


それに私はあなたと会うのは初めてのはずじゃ・・。」


「・・・姉様、男性を助けるのではありませんでしたか?」


「・・・男性?」


「・・・あぁ!


もう行きましょうか。


姉様の助けになりたいのですよ?


・・・そして、呪いを止めたい。


さあ!


来てください!」


沙捺と名乗った少女に私は腕をつかまれ、どこかへ連れてかれた。


・・・・神社?


古びた鳥居、壊れた賽銭箱。


どこか古い神社なの・・・?


「・・・沙捺様、残り5分程度です。


お急ぎになったほうが。」


私は神社に倒れこんでいる二人の男女を見てすべてを思い出した。


私は儀式を受け、木葉と言う巫女の記憶を見たんだ。


そして倒れているのは雅さんと百合香。


雅さんと百合香の首には痣が何個も残っている。


・・・首を自分で絞めたのか・・・。


私は生きている、そういう安心感を覚え涙があふれた。


涙を雅さんと百合香の額に落とし、必死に解呪してと祈った。


祈った甲斐あってか、だんだんと様子が落ち着いてきた。


呼吸もしっかりしている。


「良かった・・雅さん、百合香・・」


「・・・姉様、本来ならば姉様の務めはこれでおしまいね。


けれど、姉様に任せたいことがあるの。


よろしい?」


「私に・・・任せたいこと?」
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