【短】「さようなら」愛しのキミに
どうしてだろう。
覚悟はしていたはずなのに。
こんなにも辛くて、苦しい。
キミの悲しそうに、泣きそうに歪んだその顔が、頭から離れない。
キミのいなくなったあとに、どうすればいいか、もう何も分からなくなった。
これで、良かったんだ。
これで終わりに。
だけど……
ただ、好きだったんだ。
愛していたんだ。
こうするしか、道はなかったんだから。
痛む胸をおさえて、静かに涙を流した。