敵恋カンケイ。~双雷VS神亀~
女三人は彼の冷たい目を見て、あっという間に逃げていった。
「大丈夫か?」
さっきの目とは全然違う、心配した目つきにあたしの胸がトクン…と跳ねる。
「う、うん。大丈夫。助けてくれてありがとぉ」
今のあたしは、学校での偽りのあたし。
ちゃんと天然キャラにならないと。
「お前…、よくこういうことされてんのか?」
女が逃げてったほうを見ながら、彼はあたしに聞いた。
「……たまにだけど、ね。でも、大丈夫だからぁ!あたし、こんなことで泣かないよぉ」
「ふぅん。意外に強いんだな」
横目であたしを見つめながら、クシャクシャとあたしの前髪を撫でた。