マジで恋した5秒後
これで『都合良い頭だね』とか言われたらどうしよう…
先輩はそんな言い方はしないだろうけど、
でも自分の何気ない行動へ、好意をいだいて告白してしまった私に困ってしまうだろう。
膝に乗せていた自分の手をそのままギュッと握る。
握った手の中にはスカートの生地があって、
きっと皺になってしまうだろうけど、
震える手を隠して抑えるにはこうするしかなかった。
下を向いてそんな手を見つめていれば…
クスクスっと笑い声と、
視野に入る大きな手。
その声は、この短時間でいっぱい聞いた平野先輩で。
その手は、さっき手を掴まれた平野先輩で。
その声が優しく私を包み。
その手が私の手を包む。