マジで恋した5秒後
ジワジワと頬が熱くなる。
眼がしらも熱くなる。
心臓も熱くなる。
「平野先輩。好きです」
「うん。俺も斉藤さんが好きだよ」
好きになるタイミングに理由なんて必要ない。
何で好きになったなんて、
そんなもの恋した後に聞かれましても……
言えるのは一つ。
私も先輩もすれ違った時、第六感が反応したのですよ。
その証拠は、私と先輩の胸が高鳴った事。
「ねえ斉藤さん。
苗字だけじゃなくて…名前も教えて?」
先輩は蕩けるような甘い顔で私に囁いた。
「ホーホケキョ」
窓の外でウグイスが鳴いていた春のある日。
マジで恋した5秒後
―END―