マジで恋した5秒後





「ったく、平野の爪の垢を煎じてお前に飲ませたいよ…」


何を言うんだこの教師は…


「爪の垢って…いくらなんでも汚いだろうが…馬鹿か」


大真面目に私が返せば、

野原は盛大にため息を吐いた。




「お前、『爪の垢を煎じて飲む』ってことわざの意味わかる?」



………………。



「そんなの知ってるし。

あれでしょ?
爪に詰まってるこの汚いゴミみたいなのをお茶に入れてお笑いの罰ゲーム的な感じで飲ませるんでしょ?」



夏じゃないのに頬に汗をかきながら答える。



ここで『そんなの知らない』なんて言えない。



なんか負けた気がして言えない。


『こういう意味であってるだろうな』と若干強気なドヤ顔で言えば、




「ぷっ」



後ろから聞こえた音。




いや、オナラではありません。







 
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