手に入れたいのはお前だけ。



「え、え……?」



ど、どういうこと!?



いきなりのことに状況が飲み込めないあたしは挙動不審。



深高くんが頭を撫でてくれて、少しずつ理解する。



ということはあたし、深高くんのそばにいていいんだよね?



いろ、ってそういうことだよね?



あたしすごく……幸せだ。



「理解した?」



「う、うん……」



「だったらもう心配する必要ない」



冷たい言葉も、なんだか優しい。



無愛想で、冷たくて。でもとても優しい。



深高くんは、そういう人だ。



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