手に入れたいのはお前だけ。



途端にぴたりととまる、先生と深高くんの会話。



なんだか冷たい空気が流れる。



あれ、もしかして。聞いちゃだめだった?



あたしって空気読めないところがあるみたい。



「あ……えっと、やっぱりなんでも……」



「先生職員室に用事があるの忘れてたわ。ちょっと行ってくるわね」



「え?」



ちょっと、先生!?



あとはお願いね、と先生はさっさと保健室を出て行ってしまった。



取り残される、あたしと深高くん。



困った、困ってしまった……。




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