手に入れたいのはお前だけ。



「できれば言いたくなかったんだけど……」



なんとなく真剣な雰囲気。



ゆっくりと深高くんがあたしを見て、あたしはごくりと唾を飲み込んだ。



「体があまり強くないんだよ、俺」



「え?」



初めて聞かされた深高くんの弱点に、あたしはただただ驚く。



体が、強くない?じゃあ……。



「教室にいないことがあるのって……」



「ああ。保健室に来てるんだ」



「そうだったんだ……」



「図書館なんて嘘ついて、ごめんな」



プライドってやつだよ、と教えてくれた。




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