手に入れたいのはお前だけ。
「わっ……!」
気づけばあたしは深高くんの腕の中に収まって、優しく頭を撫でられていた。
「み、みみ、深高くん……」
何回抱きしめられても、こういうことをされても。
あたしの体は慣れてくれない。
「ありがとな」
「え…………?」
「お前を好きになって、よかった」
そして降ってきたのは甘いキスで。
あたしはいつも、気づけばこのキスを待っている。
大切な大切な、あたしだけにくれるキスなんだ。
幸せだったからかな。忘れてた。
女の子に嫌がらせをされたこと。