手に入れたいのはお前だけ。





う゛ーどうしよう、泣きそう。



と、とにかく解かなきゃ……!




涙を堪えて黒板に向き直った、そのとき。



カツカツカツ――。



長い腕が伸びてきて、黒板にスラスラと数字が書かれていく。



え、なんで?



ポカンとその光景を見ていると、その人物がチョークを置いて先生の方に向き直っていた。



「おい深高、なんでお前が――」



「すみません先生。あまりにも簡単な問題だったので、時間をとる必要もないと思いまして」



キッパリとそう言う深高くんに、みんなもあたしもあ然。




< 17 / 322 >

この作品をシェア

pagetop