手に入れたいのはお前だけ。
深高くんの次は茂木くんと話し出したあたしを見て、最初は何かと陰口を言っていた女の子たちも。
「千澄ちゃんメロンパン好き?これあげる」
茂木くんのこの様子を見て、何も言わなくなった。
あれ以来、あたしへのいじめもなくなった。
このふたりの影響は凄まじいらしい。
「千澄が好きなのはいちごジャムパン。ほら」
あたしのことをわかってくれている深高くんは、そう言ってかばんからパンを出してあたしにくれた。
「あ、ありがとう……!」
あたしが好きなの知っててくれたんだ!