手に入れたいのはお前だけ。



「あ、はい……?」



「わたしが深高くんに勉強教えてもらってるの、あんまりよく思ってない?」



いきなり核心を突かれてあたしはえっ、と言うしかなかった。



まさか本人から言われるなんて……。



「浅田さん優しそうだし。もし思ってても言えないんじゃないかなって」



「あ……えっと、」



「彼女の浅田さんには悪いかなって思ったんだけど、深高くん頭がいいから教えてもらいたくて」



自分の成績ばっかり考えてごめんね、とちょっと照れくさそうに忽那さんが笑う。



そんな姿も、可愛らしい。



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