手に入れたいのはお前だけ。
どうしよう。なんて言ったらいいか……。
どうしていいかわからず黙っていると、深高くんの指先があたしの頬に触れた。
「大丈夫。ゆっくりでいいから」
「深高、くん?」
「どうしたの、千澄」
深高くんに呼ばれた名前が、輝きを増したみたい。
この前のことは、夢じゃないんだって
あたしに教えてくれている。
「あのね、深高くん」
「うん、」
「あたし、深高くんを怒らせちゃったかな」
「え?」