手に入れたいのはお前だけ。
だから彼氏できないんだねえ、と美喜ちゃんはパンを食べながら笑った。
正直言うと、美喜ちゃんならそれくらい理想が高くても全然いいと思う。
むしろかっこよくて大人の余裕があるような、そんな人のほうが合ってる気がする。
って、それはさすがにお節介か……。
「茂木くんのことはどうなったの?」
「え?」
「ちゃんと断ったんでしょ?」
確かに断った。
ってこともちゃんと美喜ちゃんに伝えた。
でもまだあたしの近くに茂木くんはいる。