手に入れたいのはお前だけ。



「さすが俺。赤組の優勝に貢献したよねえ」



体育祭が終わりみんなでお弁当を食べていると、茂木くんが鼻高々に言う。



茂木くんの机の上には、色とりどりのお弁当箱。



女の子たちからもらったものだ。




「……まあ、そうなんじゃない?」



そんな茂木くんを軽くあしらう美喜ちゃん。



その横で呆れ顔の由くんと、笑顔のあたし。



「ねえ、借り物競争の借り物なんだったの?」



ずっと聞いてるのに、由くんは全然教えてくれない。



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